工業化学科紹介

工業化学科の目標
 工業化学とは、各種原料から化学的に工業製品を製造する方法に関して研究する学問分野です。工業化学科では、化学工業に関する基礎的・基本的知識と技術を習得し、社会に貢献し得調和のとれた人格・身体・技能を備えた技術者を育成することを目標としています。


「工業化学科」ってどんな学科なの?
 工業化学では、化学工業において物質を製造する方法を学びます。工業的な物質の製造では、製造コストや使用する原料の入手容易さ、品質の安定、用いる反応の安全性、廃棄物の処理などが重要となります。これらを勘案して工業的製造に適した物質の合成法を学ぶのが、工業化学の本質です。
 天然資源である石油、石炭、天然ガス、空気、海水、鉱石などから他の化学製品の原料や溶媒となる化学物を分離、合成する方法、それらからプラスチック、繊維、医薬品、染料、農薬、各種材料などに使用される化合物を合成する方法までを扱います。また、廃棄物処理や資源リサイクルなどの環境問題の解決に、化学の技術が活かされています。このように、化学製品の生産から廃棄までの各処理過程において、工業化学は重要な役割を担っています。
 工業化学科では、あらゆる工業製品を作る上で基礎となる化学の知識と技術を身につけます。そして、できるだけ地球環境にやさしい「ものづくり」や「生活」を考えて行きます。



「工業化学科」ってどんな資格がとれるの?

・計算技術検定・・・関数電卓を使って、時間内に正確に四則・集計・実務、関数、方程式・応用計算を解く検定です。 ( 2級・3級・4級 )

・情報技術検定・・・コンピュータの役割や機能、プログラミング作成、流れ図などについて解く検定です。( 2級・3級)

・日本語ワープロ検定・・・ワープロソフトで正確な文字を入力する技能(速度)とビジネス文章を作成する技能(文書作成)を問う検定です。( 3級・4級 )

・情報処理技能検定・・・表計算ソフトで入力データを基に表を作成し、処理条件に従って計算処理や関数処理の技能を問う検定です。(表計算3級・4級 )

・品質管理検定・・・工場などで材料や製品の品質管理に関する知識と社会人のマナーを身に付ける検定です。 (4級)

・危険物取扱者・・・消防法に基づく危険物に関する幅広い知識を身につけ、安全に取り扱うために必要な国家資格です。種類によって扱える危険物の種類が変わります。 ( 丙種・乙種第1~6類)

・毒物劇物取扱責任者・・・毒物及び劇物取締法に基づく毒物や劇物に関する幅広い知識を身につけ、安全に取り扱うために必要な国家資格です。 ※卒業後に申請をすることで資格の認定を受けることができます。

「工業化学科」ってどんなことを学習するの?

工業化学 「どんなものをつくるか」をテーマに物質の性質や変化に関する化学について学びます。

化学工学 「どうやってつくるか」をテーマに化学製品の製造のしくみに関する知識について学びます。

地球環境化学 環境に関する知識を学びます。

工業情報数理 情報リテラシーやプログラム、パソコン操作について学びます。

工業材料技術 金属・セラミックス・高分子材料について学びます。

セラミックス化学 陶磁器やガラスなど様々セラミックスについて学びます。

工業化学実習 測定器具や機械、危険な薬品を使い、実験をとおして実践的に学びます。

課題研究 ものづくりや課題解決に対する専門性を総合的に学びます。

工業技術基礎 工業の基礎・基本である器具の使い方を学びます。

 

実習について

 工業化学科では1年生では「工業技術基礎」、2・3年生では「工業化学実習」の授業で色々な実験などを行い、工業化学で必要な基礎的技術の習得を目指しています。
 基本的に10人程度のグループに分かれ、ローテーションで色々な実習を行っています。



1年生「工業技術基礎」
●定性分析  金属陽イオンの分属 (溶液中にどんな金属が含まれているか)
●電子工作   液晶デジタル温度計の制作
●木工     レジ袋かけの作成
●製図     基礎製図 (数字の書き方・線の引き方)

 

 

 

2年生「工業化学実習」
  
●定量分析     中和滴定、酸化還元滴定、モール塩滴定
●容量分析     キレート滴定、水質分析(COD)
●物理化学実習  アルコールの粘度・密度測定、表面張力の測定、凝固点降下度の測定
●石炭分析    石炭の工業的な成分分析
●単位操作実習Ⅰ ジョークラッシャーによる粉砕実習
●電気化学実習  導電率滴定、吸光光度分析
●製図      用器画、投影法(第三角法)を用いた投影図

 

 

 

 

3年生「工業化学実習」
●プラント実習   ブドウ糖製造プラントによる実習
●単位操作実習Ⅱ  サイクロン分級機
●有機化学実習   オレンジⅡの製造、スルファニル酸の製造、サリチル酸メチルの製造
●機器分析実習   インク中の色素の分離(ペーパークロマトグラフ)、コーラ中のリン
          酸の定量(吸光光度分析Ⅱ)、フィルム状試料の定性分析(IR)、
          飲料中のカフェインの定量(高速液体クロマトグラフ)、
          スポーツ飲料中の陽イオンの定性分析(イオンクロマトグラフ)
●バイオ化学実習  基本操作(器具の滅菌と固体培地のつくり方・無菌操作と微生物の移
         植)、微生物の観察、納豆菌の分離と酵素反応、アルコール発酵、D
         NAの抽出

●製図       スパナの製図(手書き製図・CAD製図)


 

 

「工業化学科」ってどんな課題研究をするの?
 工業化学科では3年生で「課題研究」という授業を行っています。5~6人程度の班に分かれ、自分たちでテーマを考え、そのテーマについて各担当教員のアドバイスのもとで1年間研究をします。
 10月に中間発表会を行い、前期の研究反省と後期に向けての改善などを検討し、そして、1月にその成果を課題研究発表会で発表します。

 

 

「工業化学科」って卒業したらどんな道に進むの?

道外:三井化学、旭化成、大塚食品、大塚製薬、雪印メグミルク、東洋ガラス、HYSエンジニアリングサービス、日野自動車、トヨタ自動車、JEFスチール新日鉄住金君津、SUBARU群馬製作所、東亜石油、葵企業など

道内:明治乳業、ほくやく、ホクレンくみあい飼料、パナソニック、シチズン夕張、日本オーチスエレベータ、札幌交通機械、新日鐵住金室蘭製鐵所、三菱製鋼室蘭特殊鋼、NTT東日本-北海道、ホクダイ、トヨタ自動車北海道、日鋼特機室蘭、北海道パワーエンジニアリング、第一鉄鋼、三菱ふそうトラックバス、北海道旅客鉄道、トッパンパッケージプロダクツ千歳工場、北海道軌道施設工業、ENEOSウィング北海道など

管内:釧路孝仁会看護専門学校、三ツ輪グループなど